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~同姓結婚:州の問題?国の問題?~

米国50州のうち、オハイオ、テキサス州など中西/南部の13州は、州憲法や州法で同姓結婚を禁止しているものの、ワシントンDCを含む37州では法的に認められているのが現状だ。この37州のうちアラバマ州で、現在、連邦と州の戦いが繰り広げられ、全国の注目を集めている。

アラバマ州と言えば、1954年の米最高裁の判例(Brown v. Board of Education)により公立学校における人種隔離政策が違法とされた後も、当時のGeorge Wallace州知事の指示の下、人種統合政策を最後まで拒否した州で有名である。今回は、連邦裁判所の判事と同州最高裁長官との対立が原因だ。

アラバマ州は、2006年の州民のレファレンダムにより、州憲法を改正し同姓結婚を禁止した。同姓結婚に反対の支持者は81%であったと報告されている。

<判例:Searcy v. Bentley>

2014年5月7日、アラバマ州在住のCari Searcy氏が、Kimberly McKeand氏との同姓結婚を認めるようアラバマ州(Bentley州知事)を相手取り同州中部地区連邦地方裁判所において提訴した。問題は、以下の2点である。

•  二人は、14年間の関係後、2008年にカリフォルニア州で結婚したが、地元のアラバマ州は、2006年の州憲法改正によりカリフォルニア州の婚姻事実を認めない。

•  二人は、McKeand氏が2005年に産んだ息子を育てているが、同州の養子縁組法は配偶者のみに対して継子(連れ子)との養子縁組を認めているため、Searcy氏による養子縁組が不可能。

Searcy氏は、米国憲法修正第14条にある、いかなる州も「何人に対して・・・法の平等な保護を拒否してはならない」とする法的根拠を理由に、同州憲法及び州法が米国憲法違反であると主張した。ちなみに、この修正第14条に定義する「法の平等な保護」は、前述の米最高裁の人種隔離に関する判決の基になった法的論理である。

2015 年1月23日、連邦地方裁判所のCallie Granade判事は、同州の憲法並びに養子縁組法は米国憲法違反とする判決を下し、原告が勝訴した。同判事は、同州の下級裁判所の判事に対して同姓カップルの申請者に婚姻証明を発行するよう命令した。しかし、問題はこれからである。

この判決を受けて、アラバマ州Strange司法長官は、Granade連邦判事に対し婚姻証明発行命令の停止措置を要請したが、Granade連邦判事は2週間の命令停止期間を与えたのみで、2月9日(月)から婚姻証明が発行される予定であった。

しかし、アラバマ州最高裁Roy Moor長官は、同姓結婚は州の問題であり、州民の意見を反映した州憲法を守る責任があるとして、連邦判事の命令を無視し2月8日(日)に同州の下級裁判所の判事全員に対し、同姓カップルに婚姻証明を発行してはならないとの禁止命令を出してしまったのである。

2月9日(月)には予想された通り、州内の下級裁判所で混乱をきたした。全67郡のうち、52郡の裁判所は、Moor州最高裁長官の指示通り婚姻証明の発行を停止したものの、モンゴメリーなど大都市のいくつかの裁判所では指示を無視して発行する判事もいたと報道された。

2月12日(木)、婚姻証明が発行されないことを不服とした別の同姓カップルが提訴した別の訴訟において、Granade連邦判事は、州の判事は婚姻証明の発行を拒否することできないとし、被告の州判事に対して婚姻証明の発行を命令し、同州の判事に対し方向性を示したのである。

Searcy氏は、「私は、いろんな意味で親として自分の息子を育てているにもかかわらず、法的には他人と見られている。息子が、アラバマ州に住む他の子供たちと同じように保護と保障が得られるように願っている」と話した。

同姓結婚に関する米最高裁の判決は、今年の6月に期待されている。

本記事の内容は、一般的事実を述べているだけであり、特定の状況に対する法的アドバイスではなく、それを意図したものでもない。個々の状況に対しての法的アドバイスは、直接当事務所にご連絡頂くか、専門の弁護士にご相談されることをお勧めする。

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