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インターネットを活用したマーケティングの留意点 ~eコマース(電子商取引)広告に適用される規定(1)~

1990年代にインターネットが一般に普及して以来、もはやインターネットの無い生活は想像できない時代になった。1994年に自宅からインターネットにアクセスできる世界人口は、僅か2千5百万人であったが、2016年には約34億人に増えている。これは、推定約75億人の世界総人口の半分に近い(internet live stats 2016年度統計)。更に米国商務省国際通商局の統計によると、2014年度の世界中の小売売上高の約14兆ドルのうち、eコマースの世界売上高は、そのほぼ10%の1兆3千億ドルであったと報じている。このうち、消費者が外国のサイトから購入するクロスボーダー売上高は、約8百億ドルと言われ、これが早くても2018年には約3千億ドルに達する可能性があると報じている。

このクロスボーダーeコマースの成長に大きく寄与しているeBayやAmazon、Airbnb、Uberなどに代表されるプラットフォームを通して、世界中の消費者が国境や州境を越えて商品やサービスを購入することが可能になった。その結果、従来の法規制では想定されなかったケースが増えてきたのも否定できない。

そこで、米国では、このようなeコマース・ビジネスへの規制や消費者保護のための法制度や判例が追い付こうとしている感があり、オンラインで広告や販売活動を行うビジネスは、これらの新しい法規制や判例を無視することはできない。よって、eコマースに適用される、詐欺的・不当な広告の禁止、スパム規制、プライバシー保護などの米国連邦法について3回に亘り説明して行こう。

<米連邦取引委員会>

米国では、独占禁止法や消費者保護法等の施行機関である、連邦取引委員会(Federal Trade Commission、以下「FTC」)が、消費者保護のための様々な法の執行を行い、企業の商業行為を規制している。eコマース活動も企業の商業行為の一部であることから、FTCの管轄に含まれている。

<詐欺的広告表示、不当な広告表示の禁止>

1914年の連邦取引委員会法(Federal Trade Commission Act of 1914)に基づき、FTCは、米国の消費者の利権を保護するために、企業の詐欺的行為や不当行為を取り締まっている。同法の基本は:

  1. 広告は、真実に基づくべきであり、詐欺的(deceptive)であってはならない。
  2. 広告は、不当(unfair)であってはならない。
  3. 広告の宣伝内容を裏付ける根拠(substantiation)がなければならない。

同法によると、ある商品やサービスに関する広告や商業慣行(一定の情報を省く行為も含む)が、消費者を欺く可能性があり、かつ、消費者の行為や判断に影響を与える場合、「詐欺的」と見なされる。つまり、車のリースを提供する広告で、「頭金ゼロ」と宣伝したにもかかわらず、実際には契約締結時に各種料金が適用され相当の支払い額が生じる場合、詐欺的と見なされる。

さらに、ある広告や商業慣習が、合理的に避けることのできない実質的な被害を消費者に与え(または与える可能性があり)、その被害が、得られた利益と比較して小さくない場合、「不当」と見なされる。例えば、「満足保証(Satisfaction guaranteed )」と宣伝したにもかかわらず、返品手数料が課せられる場合などである。

また、広告の内容は、実質的な裏付けにより実証されなければならず、特に健康、安全、あるいは性能/効能などについての広告内容についての規定はより厳しくなる。これらの情報開示は、明確かつ目立つように表示しなければならない。

詐欺的広告により商品やサービスを販売する業者はもちろんだが、第三者である広告代理店やウェブサイトのデザイナーも、詐欺的内容を知っていた場合や詐欺的内容の宣伝プロセスに参加した場合は、責任を問われる場合があるため、注意が必要である。

<考察>

実際に自社のオンラインサイトの広告が、FTCの規定に違反しているか否かは、法規定に基づく判断が必要なため、専門家と相談しながら法遵守を確認されることをお進めする。更に適用される州法についても遵守が必要になってくるので注意が必要である。

参考文献

internet live statsの2016年度統計/http://www.internetlivestats.com/internet-users/#definitions

http://www.internetlivestats.com/internet-users-by-country/

米国商務省国際通商局統計/https://www.export.gov/article?id=eCommerce-Market-Size

米連邦取引委員会文献「.com Disclosures, How to Make Effective Disclosures in Digital Advertising」/https://www.ftc.gov/system/files/documents/plain-language/bus41-dot-com-disclosures-information-about-online-advertising.pdf

本記事の内容は、一般的事実を述べているだけであり、特定の状況に対する法的アドバイスではなく、それを意図したものでもない。個々の状況に対しての法的アドバイスは、直接当事務所にご連絡頂くか、専門の弁護士にご相談されることをお勧めする。

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